第20条(第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続)

 

(第三者からの不服申立てを棄却する場合等における手続)

第20条 第14条第3項の規定は、行政庁が次の各号のいずれかに該当する

 裁決または決定をする場合について準用する。

 一 公開決定に対する第三者からの不服申立てを却下し、または棄却する裁

  決または決定

 二 不服申立てに係る公開決定等を変更し、当該公開決定等に係る公文書を

  公開する旨の裁決または決定(第三者である参加人が当該公文書の公開に

  反対の意思を表示している場合に限る。)

 

【趣旨】

 本条は、不服申立てに対する裁決または決定と公開の実施日との間に少なくとも2週間

を置くことなどにより、第三者に取消訴訟を提起する機会を保障しようとするものである。

 

 

【解説】

1 第14条第3項の規定を準用するとは、第1号または第2号に掲げる裁決または決定

 をする場合、当該裁決または決定の日と公開の実施の日との間に少なくとも2週間を置

 かなければならないこと、また、当該裁決または決定後直らに、第三者に対し、公開す

 る旨の裁決または決定をした旨およびその理由ならびに公開を実施する日を書面で通知

 しなければならないことをいう。

2 第1号は、第三者が公開決定の取消しを求めて不服申立てを行った場合、公開決定の

 執行停止が申し立てられ、裁決または決定がなされるまで、執行停止が認められるのが

 通常であろうが、不服申立てを却下または棄却する裁決または決定がなされて直ちに公

 開されてしまえば、公開決定に対する取消訴訟を提起する機会を失ってしまうことにな

 るので設けられたものである。

3 第2号は、公開請求者が非公開決定に対して不服申立てを行い、行政庁が非公開決定

 を変更して公開する旨の裁決または決定をした場合においても、第三者に公開の実施前

 にその裁決または決定を争う機会を保障するため設けられたものである。ただし、速や

 かな公開実施を求める不服申立人の立場も考慮し、非公開決定に対する不服申立てにお

 いて、参加人として非公開決定を擁護していた第三者に限定している。

4 第2号は、公開決定等が裁決または決定により変更された場合の規定であり、非公開

 決定が裁決または決定で取り消された結果、実施機関が新たに行う公開決定については、

 第14条の規定が直接適用されることになる。